このような質問を時々受けます。
リンパ腫は比較的多い腫瘍の1つです。
今回は(イヌの)リンパ腫について勉強していきましょう。
リンパ腫とは何なのか?
リンパ腫はどうやって診断するのか?
リンパ腫の治療とは?
家でできることは?
もくじ
リンパ腫ってなんなの?
血液は造血幹細胞というものから分化してしていくことで、赤血球や血小板、好中球・リンパ球などの白血球になります。
上図の右側の部分であるリンパ系細胞が腫瘍化(がん化)したものがリンパ腫です。
つまりリンパ腫は血液がんの1つということになります。
さらに、リンパ系細胞にも様々な種類のものがあり、どの分化段階のものが腫瘍化したのかでも違いがあるため、リンパ腫にも色々なタイプがあると言えます。
以前はリンパ性白血病とリンパ腫は区別されていましたが、現在はリンパ性白血病もリンパ腫の大分類の中に含まれています。
リンパ腫の分類
どのタイプのリンパ腫なのかという分類にも様々なものがあります。
ヒトもイヌもリンパ腫の研究が進み、リンパ腫の分類も変わってきています。
発生部位(解剖学的部位)による分類、組織学的分類、免疫学的なフェノタイプによる分類、悪性度による分類などがありますが、今後はヒト同様に新WHO分類に近づいていくかもしれません。
発生部位による分類:多中心型リンパ腫が最も多い!!
これはまさにリンパ腫がどこにあるかという発生部位による分類です。
血液は体中どこにでも流れているためにリンパ腫もどこにでもしこりを作るんです。
その中でも体中に無数にあるリンパ節が腫れる(しこりのようになる)タイプが最も多いリンパ腫になります。
これを多中心型リンパ腫と言います。
胃腸にしこりを作るタイプを消化器型リンパ腫、胸腔の中の胸腺と呼ばれる部位にできるタイプを縦隔型リンパ腫、皮膚や口唇粘膜にできる皮膚型リンパ腫、鼻腔・腎臓・神経などにできるもの(これを節外型リンパ腫と呼んでいます)などがあります。
下表に示すように圧倒的に多いのは多中心型リンパ腫になります。
発生部位による分類 | 発生頻度(%) |
---|---|
多中心型リンパ腫 | 80 |
消化器型リンパ腫 | 5〜7 |
前縦隔型リンパ腫 | 5 |
皮膚型リンパ腫 | まれ |
その他のリンパ腫 (眼、中枢神経系、骨、鼻腔、腎臓など) |
まれ |
悪性度による分類、免疫学的フェノタイプによる分類
様々なタイプのリンパ腫がある中で、悪性度にも違いがあります。
それを分類するのが悪性度による分類で、
- 高悪性度(低分化型、高グレードとも呼ばれる)
- 低悪性度(高分化型、低グレードとも呼ばれる)
に分類されます。
ここでいう分化というのは造血幹細胞からリンパ球に成長(成熟)していくことを言います。
低分化なほど造血幹細胞に近くて若く分裂・増殖能力が強く、
高分化なほど成長(成熟)が進んでいて分裂・増殖能力が低くなります。
造血幹細胞から分化したリンパ球にも種類(免疫表現型・フェノタイプ)があって、
- B細胞(Bリンパ球)
- T細胞(Tリンパ球)
- NK細胞
に分かれます。
B細胞は体内に侵入した異物(抗原)を認識してウイルスなどを排除する働きがあります。B細胞が成熟すると形質細胞になり、ヘルパーT細胞と協力して抗体を産生、放出する働きがあります。一部のB細胞はメモリーB細胞となって次に同じ抗原が侵入した際に即座に対応できるようになります。
T細胞にもヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞があります。
ヘルパーT細胞は樹状細胞という細胞から抗原の情報を受け取り、キラーT細胞への指示、B細胞やマクロファージ(体内のお掃除屋さん)を活性化させる司令塔の役割。
キラーT細胞はウイルスなどが感染した細胞を破壊します。制御性T細胞は免疫異常が起こらないように書く細胞をコントロールしています。
NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、全身をパトロールしながらガン細胞やウイルスを見つけるとすぐに攻撃をする殺傷能力の高い免疫細胞です。
この悪性度とリンパ球の種類を組み合わせたイヌのリンパ腫の発現頻度は次のように報告されています。
組織学的分類
ヒトはリンパ節生検といって手術でリンパ節を取り、その組織構造も含めてリンパ腫を診断します。
イヌでは一般的になっていませんが、研究は進んでいて組織学的悪性度に基づいた大分類とサブタイプというのも報告されています。
この研究では992頭のリンパ腫のイヌを調べていて以下のように分類しています。
(一部少ないものは載せていません)
また、この研究ではB細胞性は70.3%、T細胞性は29.7%でした。
何でリンパ腫になるの?
イヌの腫瘍の中で3番目に多いとされているのがリンパ腫です。
日本におけるヒトでのリンパ腫の罹患率は人口10万人に対して28.3 例(男性31.1 例、女性25.7 例)となっています。一方で、イヌではいくつかの報告(いずれも古いデータで日本のものではない)がありますが、10万頭あたり20〜107例となっています。ヒトよりイヌの方が多いという認識が一般的です。
原因は特定されていませんが、環境因子(タバコ、塗料、有機溶媒など)や免疫異常はリンパ腫発生のリスク因子であるとされています。
リンパ腫の症状
身体検査をしてみると(下顎)リンパ節が腫れている。
多中心型リンパ腫が最も多いリンパ腫であるために、こういったケースが多いです。
リンパ腫のイヌで最も多い臨床徴候は体表リンパ節の無痛性腫大です。
数日で一気に大きくなるケースもあります。
リンパ節腫大以外には、元気食欲の消失、発熱、体重減少、嘔吐、下痢などもあります。
下痢を繰り返し精密検査で消化器型リンパ腫と診断したケース。
皮膚病が治らずに皮膚の生検で皮膚型リンパ腫と診断したケース。
尿の色の異常に気づき精密検査をして腎臓型リンパ腫と診断したケース。
様々なリンパ腫がありますが、圧倒的に多いのは体表にあるリンパ節が腫れるタイプの多中心型リンパ腫です。
検査・診断
針吸引生検・細胞診
体表リンパ節の腫大がみられた場合にはまず細胞診(針で細胞を採取して診断する)が第一選択になります。
脾臓や肝臓の腫脹や腸管が腫脹している場合も、皮膚病が治らずに厚みが増している場合も、まずは細胞診を行います。
リンパ節が腫大している場合、リンパ腫以外にも炎症、免疫刺激による腫大、腫瘍の転移なども考慮する必要がありますが、多くの場合は細胞診で鑑別ができます。
高悪性度のリンパ腫の場合は細胞診で検出できます。
ヒトの場合は高悪性の場合もリンパ節生検を行い、組織学的分類も行うことで治療法の選択・予後判定を行なっています。イヌではまだまだ十分な研究ができていませんが、今後ヒトのようにリンパ節生検が一般的になるかもしれません。
低悪性度のリンパ腫の場合には細胞診では診断ができずに病理組織検査や免疫組織化学検査などを行う必要があります。
どこのリンパ節が腫れているのか?全身の状態はどうなのか?
疾患の進行度を把握する目的で病期(ステージ)を5段階に分けることができます。さらにそれぞれに全身兆候の有無でサブステージaとbに分けています。
この分類をするためには、問診、身体検査、血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査、細胞診検査、場合によっては骨髄検査が必要になります。
クローナリティー検査
これはリンパ腫かどうかを調べる検査ではありません。
リンパ腫であることが分かった場合に、それがB細胞性なのかT細胞性なのかそれともそれ以外かを決めるための補助的診断ということになります。
その他の検査
現在の全身状態を把握するために様々な検査を行い、総合的に診断します。
身体検査:どこのリンパ節がどれだけ腫れているかをチェックする以外にも、鼻先から尻尾の先まで体を触って異常がないか確認します。
血液検査:骨髄、肝臓、腎臓など内臓の状態を確認するために血液検査を行います。
レントゲン検査:心臓や肺の状態、リンパ節の腫れの確認などを行います。
超音波検査:肝臓や脾臓の中の構造はどうなっているのか、腹部のリンパ節の腫脹はないかなどを確認します。
尿検査:尿の濃縮能(腎機能の目安)などをチェックします。
治療と予後は?
ここでは(B細胞性高悪性度)多中心型リンパ腫についての治療を中心に記載します。
リンパ腫と診断された皆さんが一番最初に質問するのが予後のことです。
無治療のリンパ腫の予後
無治療のリンパ腫(高悪性度多中心型リンパ腫)の場合、診断時は元気であっても急速に進行して全身の臓器への影響のために元気・食欲がなくなっていきます。
ほとんどの犬が4〜6週間後に死亡
と報告されています。
もちろん、どのタイミングで病院に行って診断されたかにもよります。
リンパ腫の治療法
リンパ腫の治療の主役になるのは抗がん剤(化学療法剤)になります。
抗がん剤の副作用は?
ただ、皆さんが想像しているよりも副作用は少ないです。
実際に全ての抗がん剤には副作用があります。しかしながら、入院が必要になるほど重篤な副作用になるものは全体の5%以下で、生命にかかわるものは1%以下と言われています。ほとんどの動物は化学療法中、元気に過ごします。
それぞれの抗がん剤には個々の副作用がありますが、共通した副作用としては『骨髄抑制、脱毛、胃腸障害』があります。
骨髄抑制による白血球減少(好中球減少)
抗がん剤は活発に分裂している細胞をターゲットにしています。このため目的としているガン細胞だけでなく、正常な細胞もターゲットになってしまいます。正常な細胞で活発に分裂しているのは特に骨髄・胃腸です。骨髄に作用すると毎日どんどん作っている白血球の数が減ってしまいます(多くの抗がん剤で1週間前後でもっとも白血球・好中球が減少)。
白血球(特に好中球)は体内で病原体と闘う役割を担っているため、この数が減ることで病原体に感染しやすくなってしまいます。そこで、感染予防を目的に抗生物質が処方されることがあります。
脱毛(抜け毛)
抗がん剤による脱毛はイヌ(ネコ)ではそれほど多くありません。一部の犬種(プードルやシュナウザー、テリア)など毛の成長が続く犬種では脱毛が起きる可能性があります。また、ヒゲが抜けることや毛の色調が変わる可能性があります。毛刈りをした場所で発毛しにくいことがあります。
胃腸障害
抗がん剤は正常な骨髄・胃腸に障害を与えることがあります。
多くの場合、胃腸障害は抗がん剤投与後2〜5日で起こります。
胃腸障害というのは具体的には吐き気・嘔吐・食欲減退・下痢があります。このため、抗がん剤を行う際に同時に吐き気止めや下痢止めが処方されることがあります。
主な抗がん剤(化学療法剤)
抗がん剤にもたくさんの種類があり、それぞれリンパ腫に対して作用に違いがあります。
プレドニゾン(ステロイド)
ステロイドという薬はご存知の方が多い薬かもしれません。アレルギー、自己免疫疾患や炎症止めなど様々な病気の治療に使われています。
腫瘍の中でも血液腫瘍(白血病やリンパ腫)、肥満細胞腫などに特に大きな効果が期待できます。
しかし、効果はあまり長続きしません。
副作用としては、飲水量の増加・尿量増加、食欲亢進、パンティング(ハァハァする)などです。また、長期
投与する場合は腹囲膨満(太鼓腹になる)、毛が薄くなる、皮膚が黒ずむなどが見られることがあります。
ビンクリスチン
この薬は注射薬で直接血管内へ投与します。
血管外に漏れた場合は組織障害を起こすため、血管に留置針という管を入れて確実に投与しないといけません。
副作用としては、血管外に漏れた場合の組織障害、末梢神経障害(便秘など)、軽度~中等度の白血球減少などが認められることがあります。
この薬は肝臓で代謝され、主に便に排出されます。ビンクリスチンを投与している動物では便は速やかに片づけ、手に触れてしまった場合はよく洗って下さい。
ドキソルビシン
リンパ腫に対して最も強力な抗がん剤です。
この薬は注射薬で直接血管内へ投与します。血管外に漏れた場合は強い組織障害を起こすため、血管に留置針という管を入れて確実に投与しないといけません。投与も15分以上かけてゆっくり投与する必要があるため、どうしても動いてしまう動物には鎮静剤を使用することもあります。
副作用としては、血管外に漏れた場合の強い組織障害、吐き気、脱毛、アレルギー、出血性大腸炎(下痢)、重度の白血球減少、心筋障害(投与回数に制限あり)などがあります。
この薬は便・尿に排出されるため、ドキソルビシンを投与している動物では便や尿は速やかに片づけ、手に触れてしまった場合はよく洗って下さい。
サイクロフォスファマイド
この薬は経口投与または直接血管内へ投与します。
副作用は、吐き気、無菌性出血性膀胱炎、中等度の白血球減少などが見られます。特に無菌性出血性膀胱炎が起きてしまった際は強い血尿が見られます。血尿が見られた際はサイクロフォスファマイドの投与は中止します。また、投与前に膀胱炎症状(頻繁に排尿するなど)が認められた場合、サイクロフォスファマイドの投与に先立ち膀胱炎の治療を行う必要があります。サイクロフォスファマイドを投与している動物の尿は速やかに片づけ、手に触れてしまった場合はよく洗って下さい。
L-アスパラギナーゼ
リンパ腫の癌細胞が必要とする栄養素を分解する酵素剤です。
この薬は皮下注射または筋肉注射で投与します。
副作用は、アレルギー、膵炎などが見られます。また、ビンクリスチンと同時期に投与すると重度の白血球減少が見られます。
治療選択
抗がん剤治療を行う際は、単剤による治療よりも多剤併用療法の方が効果が高いことが知られています。この多剤併用療法にも様々なやり方(プロトコールと言います)が報告されています。
現在日本国内で行われているプロトコールでは『UW-25プロトコール』と呼ばれるものが最も一般的になっています。
プレドニゾン(ステロイド)単独治療
上述したようにプレドニゾンもリンパ腫にも効果的ですが、効果が長続きしません。
プレドニゾン単独での治療の場合、
生存期間は1〜2ヶ月
と報告されています。
ドキソルビシン単剤治療
リンパ腫に対して最も強力な抗がん剤がドキソルビシンです。
単剤で使用した場合、
生存期間は6〜9ヶ月
と報告されています。
多剤併用プロトコール
いくつかの抗がん剤を組み合わせた多剤併用プロトコールでの治療の場合、
生存期間は12〜13ヶ月
と報告されています。
また、1年生存率は約50%、2年生存率は約20%となっています。
多剤併用療法で用いられることが多いのは、
- UW-25プロトコール
(プレドニゾン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、サイクロフォスファマイド) - COPプロトコール
(プレドニゾン、ビンクリスチン、サイクロフォスファマイド) - ACプロトコール
(ドキソルビシン、サイクロフォスファマイド)
などになります。
最初に言ったようにリンパ腫は血液がんの一種です。リンパ節だけでなく全身に広がっています。
多剤併用療法を行うことで多くの犬ではリンパ節が縮み(これを寛解と言います)ます。
しかしながら身体検査では分からない、目に見えない顕微鏡レベルでは腫瘍細胞は残っています。
UW-25プロトコール治療では最初の1〜2ヶ月でこの寛解まで到達して、残りの4〜5ヶ月でどれだけ顕微鏡レベルの腫瘍細胞を減らせるかというのがポイントになります。
家でできること
チーム医療の一員として病気を理解する
どんな病気もそうですが、家族である犬が今現在どんな病気なのか、どんな治療をしているのかを知っておく必要があります。
治療の際は、犬を中心に家族・獣医師・看護師など病院スタッフでチーム医療を行う必要があるからです。
ここでもう一度『リンパ腫治療の流れ』を確認しましょう。
- 導入:最初に用いた治療プロトコール。完全寛解としていかに顕微鏡レベルの腫瘍細胞を減らすことができるかがポイント。
- 維持:導入の治療プロトコールを終了した経過観察期間。自宅でも身体検査・健康観察を行い、定期的に病院で検診を行う必要があります。
- 再導入:残存していた腫瘍細胞が再増殖して分かるようになることを再燃と言います。多くの場合1回目の導入プロトコールで再導入を行います。もしも効果が見られない場合は別の導入プロトコールを用います。
- レスキュープロトコール:再燃を繰り返し導入プロトコールでも効果がない場合、通常導入プロトコールで用いられない抗がん剤を使用したレスキュープロトコールを行います。
体温測定をしましょう
導入期、再導入期、レスキュー期では抗がん剤による副作用に注意しながら過ごす必要があります。
抗がん剤の種類によってはご自宅で内服していただくこともあります。
抗がん剤の取り扱い方、排泄物の取り扱い方をもう一度獣医師に確認しましょう。
できれば毎日ご自宅でTPRを測定しましょう。
TPRとはT:体温、P:心拍数、R:呼吸数のことです。
これらに異常がある場合は、白血球(好中球)が減少して細菌感染を起こしている可能性があります。
速やかに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
体温測定は動物用の体温計を使用して、安静にしている際に直腸温を測定します。
●犬の体温の標準値
小型犬:38.6℃~39.2℃ / 大型犬:37.5℃~38.6℃
※一般的に、小型犬の体温は、大型犬に比べて高めです。
ない場合はラップをして測定すると良いですね。
●犬の呼吸の標準値
小型犬:20~30回/分 / 大型犬:15回/分
熱が出ると呼吸が早くなります。
維持期に家でできること
維持期には特に治療を行わずに経過観察の期間です。
定期的に動物病院での診察をしてもらいますが、ご自宅でも身体検査ができればより早く再燃の兆候を掴めると思います。身体検査のポイントは体表リンパ節が腫れているかどうかです。
先ほども出した画像ですが、黄色で示したリンパ節がある位置を覚えておきましょう。
この場所でぐりぐり触れるものがある場合はリンパ節が再び腫れているかもしれません。
次の診察予定まで待つのではなく、できるだけ早く病院を受診しましょう。
栄養管理を見直す
リンパ腫治療中には今まで通りきちんと食べているにも関わらず、痩せてしまう場合があります。これを癌性悪疫質と言います。簡単に言ってしまうとリンパ腫に栄養を奪われてしまっている状態です。
癌は特に炭水化物をエネルギー源としています。
タンパク質に関しても癌細胞と犬との間で奪い合いが起きています。だからと言って、タンパク質をあげるのを減らしすぎると犬が消耗してしまうということになります。
脂肪分に関しては癌はあまり利用しません。
オメガ3脂肪酸を味方にしましょう
脂肪酸の中には味方になってくれる脂肪酸とそうでないものがあります。
オメガ3脂肪酸はDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの脂肪酸のことですが、魚油に多く含まれています。これらの脂肪酸は、
- 抗腫瘍作用
- 抗転移作用
- 抗炎症作用
- 悪疫質改善作用
などがあります。積極的に利用したいですね。
一方で、オメガ6脂肪酸はリノール酸、ガンマリノレン酸などになりますが、癌細胞の成長・転移を促進すると言われています。
やっぱりいつも通りの愛情が一番
リンパ腫と診断されたら、もちろん誰もがショックです。
まずは病気について良く理解しましょう。
そして、家族、担当の獣医師・病院とチーム医療で治療にあたりましょう。
抗がん剤治療中は、普段通りと言っても毎日1時間フリスビーをやっているとか、1時間水泳、ジョギングをしているというのは避けた方がいいかと思います。
という飼い主様もいらっしゃいますが、
それだと家族である○○ちゃんではなく、リンパ腫ちゃんになってしまっている可能性があります。
リンパ腫ちゃんとなることでストレスを感じてしまっているかもしれません。
ストレスはどんな病気の時も大敵です。
今回はちょっと難しい内容だったかもしれませんが、しっかりと病気を理解してチーム医療で戦いましょう。